SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」
「全ての人に持続可能な水の使用と衛生設備(トイレ、下水道など)を保障する」
目標6は飲料水、衛生施設、衛生状態の領域を越え、水源の質と持続可能性にも取り組むものとなっています。この目標の達成は、人間と地球の生存に欠かせませんが、そのためには、水と衛生の管理改善のための国際協力を拡大し、地域社会の支援を取り付けることが必要となります。
日本の水利用は、古代から江戸時代は稲作農業中心、江戸時代から戦前は工業用水の利用増大に伴う近代水道の整備、戦後から現在までは高度成長と人口増加による需要増大に対応するための水資源の総合的な開発により発展してきました。
豊かな水資源に恵まれていると思われる日本ですが、世界156か国のうち、我が国の1人当たり水量は91位であり、1人当たり年降水総量は世界平均の3分の1、1人当たり年水資源量は世界平均の2分の1に過ぎません。
簡潔に言うと、私たちが想像していたほど、日本は水に恵まれているわけではないのです。ではなぜ、水に不安を持つこともなく国民全体に水資源を供給できているのでしょうか。
それは、1970年代には公害や、高度経済成長期の人口急増による水需要拡大に対し、節水等で対応した経験から、水利用・処理等に関する産業技術と「省水型・環境調和型・循環型」の水管理技術及び社会システムを培ってきたからです。
しかしながら、世界で見ると多くの国では水の確保に悩まされております。令和元年に世界保健機構(WHO)と国連児童基金(UNICEF)が発表した水供給と衛生に関する報告書によれば、2017年度時点で世界では22億人(総人口の30%)が安全な水を自宅で入手できない状況にあり、そのうちの7億8500万人が基本的な供給サービスを受けられずにいます。
また、42億人(総人口の55%)が安全に管理されたトイレを使用できずにいます。そのうち20億人は基本的な衛生サービスを受けられずにいるのです。
▼参考 令和2年版 日本の水資源の現況について
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_tk2_000028.html
そうした国々に対し、日本が経験に基づいた技術や水管理システムを展開し、水問題に直面する新興国・途上国の取組を後押しするためには、機材のみならず、プラント建設や施設の維持・運営も含めた水供給システムとしての製品・サービスの提供が重要になります。
水問題においては組織だった取り組みがどうしても必要になります。NPO・NGOなどの支援団体でも設備や衛生的なトイレの設置には、まだまだ活動資金や人材が不足しているのが現状です。まずは世界の現状を知ることから始め、自分に何ができるか模索していこうと思います。