雑記

【怒りは敵か?】アンガーマネジメント 感情を制御する方法3選

2021年度の大河ドラマ「青天を衝け」の第1回で、こういう言葉が出てきました。

「堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え」

これは

「がまんすることが無事に長く安らかでいられる基礎で、「怒り」は敵と思いなさい」

という意味です。

この一節に主人公である幼い渋沢栄一は「怒りは敵か?」と尋ねました。

 

怒りは敵かどうか、私は考えたことがありませんでした。

怒りとは自らのうちから湧き上がる力強い衝動で、不満や不快を現す感情の一つです。

自分自身からわき上がる感情なのだから、この感情は正しいものだ、と思ってすらいました。

 

そんな折に、小さな子どもである渋沢に「怒りは敵か?」と画面越しに尋ねられ、この「怒り」という感情について改めて考えてみたくなりました。

 

昨今の世の中でも、何かとニュースで誰かのコメントが炎上したと報道されることが多くなった印象があります。

またコロナ禍で社会のルールが変わってゆき、その変化に慣れないうちは生活の中でストレスを溜めてしまう人もいる事でしょう。

 

漠然とした不安や、世間に対する疑問、自身に置かれた厳しい環境など、理由は様々です。

 

そうした中、怒りとはどのように生まれるのでしょうか。

 

怒りのメカニズム

 

まず怒りには燃料があります。

それは日々の生活の中にある、漠然とした不安や、世間に対する疑問、自身に置かれた厳しい環境など、そうした中から生まれる負の感情です。

 

焦り、不安、不満、嫌悪、悲しさ、寂しさ、辛さ、悔しさ、こうした様々な感情が折り重なって燃料となります。

 

こうした負の感情はきっかけがない限りは、もんもんと心身に貯めこまれていきます。

 

そしてある時をきっかけに、着火スイッチが起動し、怒りが炎の様に噴出してしまうのです。

 

怒りの着火スイッチ

 

ではきっかけとなる「着火スイッチ」とは何なのでしょうか。

それはそれぞれの内にある「~であるべき」という「価値観」や「常識」です。

 

昨今でいうならば「男とはこうあるべき」「女ならばこうあるべき」というジェンダーについて、「向かうべき」現代社会の価値観や常識から外れた発言をした結果、大きな炎が巻き起こりました。

 

現実と理想となる「~べき」にギャップが生まれたり、裏切られた場合、着火スイッチが発動します。

 

「~べき」という着火スイッチ、もしくは「負の感情」という燃料の片方が無ければ、炎はできません。

 

この着火スイッチと燃料を両方減らす、もしくはどちらかだけでも減らすことが出来れば、「怒り」という炎は発生しにくくなります。

 

怒りへの対処法 ①着火スイッチを理解する

 

第一に必要な事は自分の「着火スイッチ」が何であるかを把握しておくことです。

 

感情というのは強くコントロールすることは中々難しい……。

しかし、着火スイッチを自分で握っていることが出来れば、漠然とした不安に駆られることもなくなります。

大切なのは自分の中にどのような「価値観」・「常識」があるのかという事です。

 

そして自身に降りかかった出来事が、本当にそのスイッチを押すことに繋がるのか、一瞬でに良いので考えてみてください。

 

その一瞬があれば、例え着火スイッチを押したとしても、その怒りの炎は自分の意志で消すことができます。

 

怒りへの対処法 ②燃料となる負の感情を溜めない

 

次に大事なのは、そもそも燃料となる負の感情を溜めないという事です。

心にゆとりがある状態であれば、そもそも怒りは現れません。

当たり前の事ですね。

 

現代社会においてこの負の感情、ストレスとの向き合い方は必須技能と言えます。

 

例えば、適度な運動、リラックスできる音楽、カウンセラーにかかるのも有効です。

昨今では瞑想の効果が注目され、自宅でも簡単にできおススメです。

適度な運動、リラックスできる音楽、カウンセラーの受診、瞑想など

 

自分に合ったストレス解消法を見つけ、実践することで燃料を減らしていきましょう。

 

怒りへの対処法 ③怒りは「伝染する」ことを知る

 

怒りに関わらず、感情というものは触れる人に伝染していきます。

悲しい感情に触れれば悲しくなり、楽しい感情に触れれば楽しくなり、腹立たしい感情に触れれば怒りが沸きます。

 

この伝染能力は、厄介なことにあらゆる媒体に乗ってしまうのです。

 

情報番組、新聞、週刊誌、SNS、口コミ、など映像や文字・口伝など形式は問われません。

我々はあらゆる情報から感情を受け取り、引き起こしてしまいます。

 

不平不満を画面越し見聞きすると、自身も同じような感情になります。

人間には共感能力があるから仕方のない事です。

 

意識して欲しい事は、「怒り」という感情が起きた時、それは「自分の内から出た感情なのか」という事です。

 

「怒り」は伝染します。

あなたが「怒り」の炎を上げた時、その着火スイッチはあなたが押したものですか?

もし伝染した結果、つまり他人に押されたものならば、今一度省みるべきです。

 

あなたの怒りはそんな事に使う必要はありません。

自分の感情は自分のものです。

 

さいごに

着火スイッチである「価値観」や「常識」。

これらは己の努力次第でより良い方向へと育て上げることが出来ます。

 

広辞苑では常識について次のように述べています。

 

常識とは:普通、一般人が持ち、また、持っているべき知識。 専門知識で無い一般的知識とともに理解力・判断力・思慮分別など含む(広辞苑より)

 

常識について、渋沢栄一は次の様に述べています。

 

「極端にならず、頑固にならず、善悪を見分け、プラスマイナスを識別し、言動が中庸に適うものである」

 

これを3つに分解したものが「智・情・意」になります。

 

すなわち「知恵、情愛、意志」の3つがそれぞれバランスを保ち平等に発達したものが、完全な常識である、とそう捉えています。

 

これらについて解説してある記事が下記にありますので、ぜひご覧になってください。

 

情報化社会が加速度的に成長してきた世の中で、優先して身に着けるべき能力とは?