デジタルネイティブという世代の特徴を御存じですか?
令和という時代に入り早3年目。
平成11年(1999年)生まれの若い世代が、4月から新社会人として働き始めます。
実は彼らが生まれた1年後の平成12年(2000年)から、「Google」の日本語検索サービスが開始したり、「Amazon」が日本でサービスを開始しました。
彼らが成長するにつれてインターネットも着実に社会に浸透していき、2019年時点では個人でのインターネット利用率は約90%まで上がっています。
こうした社会の中、新社会人の若者たちはごく自然にインターネットに触れて育ち、いまや「デジタルネイティブ」と呼ばれています。
こうした世代の特徴の一つに「自分の外に正解を求める」という事があります。
膨大な情報にアクセスする手段を掌に持つデジタルネイティブは、分からないことがあればすぐにググります。
例えば、
何か意見を求められた時、スマホを取り出し「最近じゃ~みたいですね」と、サイトの情報をそのままコピペで伝える。
このコロナ禍の前までは会食なども日常茶飯事であり、そうした会場のセッティングを頼まれた際には、「お店はどこがいいですか? 飲み放題がいいですか? 個室がいいですか? 何人前注文しますか?」と、答えを自分の外に求める。
等です。
こういう時、多くの人は「少しは自分で考えてくれ」と思うでしょう。
これにはデジタルネイティブとほかの世代との間に、すれ違いが生じていることが原因です。
彼らは決して自分で考えていない訳ではありません。
そもそも「正解に対する捉え方」が変わってきているのです。
正解に対する考え方
1つの命題を提示された時、デジタルネイティブの「正解に対する考え方」は次の2つに大別できます。
・自分の考えの方が良い正解(俺か)
・自分の考えじゃない方が良い正解(俺以外か)
ここで前提となるのが、命題に対して答えを導くヒントがデジタルネイティブの中にあるかどうかです。
例えば「君の意見を聞かせて欲しい」と言われた場合、意見を立証する経験・知識が乏しいと自分の中で判断した時、スマホが使われます。
一方、求められた意見の答えが、過去の自分の経験や知識に基づくものならば、答えは自ずと現れます。
正しい情報を掴むことの重要性
デジタルネイティブは自分の中の経験・知識が乏しい場合、自分の意見として発する事を嫌います。
なぜなら、彼らは常に大量の情報にさらされて生きてきました。
その中で、「正しい情報を掴むことの重要性」が教育として施されてきたのです。
こうした教育の元、検証されていない自分の意見が「正しい情報」として発信されていいものなのか、と戸惑いにも似た感情が生まれます。
「正しくないかもしれない自分の意見」よりも「ある程度精査された大衆の意見」の方が、相手に対する答えとして「より正しい情報」だろうと、そう感じるのです。
入社間もない、まだ人間関係が整っていない状況では、上司や先輩から意見を求められた時、「より正しい情報」を渡そうと思うのは当然です。
一方で、彼らの経験や知識に基づいて答えが導かれた場合、驚くほどの専門性を持っていることも少なくありません。
なぜなら、彼らの手には経験や知識を深堀するための手段が、自然と備わっているからです。
デジタルネイティブは気になったことを検索し、横展開し、深堀することに長けています。
1つの情報をもとに、芋づる式に関連情報を見つけ出し、精査し、分析・整理する力を備えています。
故に、上司や先輩がデジタルネイティブに意見を求める時、一言付け加えてほしい。
「『今の』君の意見を聞かせてほしい」と。
そうすることで等身大の彼らの意見を聞くことが出来るでしょう。
その時、自らの内の乏しい情報で仮説を立てて実行し検証をしていく、という経験を積むことが出来ます。
時代の移り変わりが激しい現代では、この試行錯誤が必須技能です。
デジタルネイティブはその優秀な情報分析・処理能力を駆使し、仮説を立てて実行し検証を繰り返すことができれば、非常に強力な人材となります。
デジタルネイティブの特性を理解し、社会へと羽ばたこう!!